アニメ分析ブログ

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アニメの裏側 アニメ制作のブラックな一面をご紹介

現在日本では年間300以上のアニメが作られています。

鬼滅の刃やスパイファミリーなど話題になり、日本だけでなく海外にも輸出される作品もあります。いまや日本のアニメは世界に誇れる主要産業となっています。

その一方で、アニメの制作する側、つまり見えない裏側では、多くの人が血のにじむような努力をして一つの作品を作り上げています。

この記事では、日本が誇るキラキラしたイメージを持たれるアニメ業界、そのブラックな裏側を紹介していきます。

 

圧倒的な人手不足

現在アニメは、1年間に約340タイトル、映画は約80作品、合わせて120000分(2000時間)ほど作られています。

20年前は約110タイトル、映画30作品合わせて77000分(約1300時間)ほどでした。

さらに最近のアニメは、2000年代に作られた作品に比べ、高いクオリティーのものが求められるようになり、20年前の作品と比べると圧倒的に完成度が高くなっています。

しかし残念なことに、アニメを作る総人数や、アニメ制作にかけても良い資金額は20年間でほとんど変化がありません。

つまり資金と人員はほとんど変化がないのに求められるクオリティーと作品数が上がり手が回らなくなり始めているのです。

 

長時間労働

人手不足なのにも関わらず、求められるレベル水準は以前に比べて圧倒的にあがっています。

そのせいで1人にかかる作業量があまりにも増えすぎているのです。その結果、アニメ業界は、長時間労働が当たり前の業界となっています。

一般的なサラリーマンの勤務時間は9時から17時までの8時間に昼休憩を挟むのが一般的ですが、アニメーターの65%は、平均的なサラリーマンの勤務時間8時間を超えて、作業を行い、10時間が業界の平均となっています。

さらに、アニメ放送が実際に始まると、人手不足の影響から、常に納期に追われる状態になるので、スタジオに寝泊まりは当たり前、10時間以上徹夜で働かなければならなくなります。

それに加えて、休みも他の業界に比べて、圧倒的に少なくなっています。

一般的な週休二日の会社であれば一ヶ月に10日ほど休みはありますが、アニメーターの平均的な休みの日数は7日以下の人が約80%、最頻値は4日となっています。

さらに休みが土日と決まっているわけではなく不規則なので、「休みだ!どこかに行こう!」という発想にはならず、「疲れて具合悪いから動けない」というように休日を寝て過ごします

 

若手時代の低賃金

そんな長時間労働で必死に働いているアニメ業界の人たちですが、年収は低い傾向にあります。そんなに働いているのだから高くしてもいいだろうとは思いますが、それが現状です。

アニメ業界全体の平均年収は440万で、そこまで他業種に比べて変わりません。しかし、この440万という数字はディレクターなどの高い役職についている人も含めています。

現状として、3年目ぐらいまでの新人の平均年収は125万円です。そこから税金、家賃、光熱費、諸々を差し引くと、1日数百円しか自由に使えるお金は残っていません。しかもそれらはすべて食費に消えて失くなります。つまり、新人は特に、生きていくために必死で、遊ぶ金はおろか、お腹いっぱい食べるお金もまったくないというのが現状です。

 

福祉がついてこない

アニメーターの半数はフリーランスです。しかも会社がそのことを教えてくれず、社員のように働かせるので、それを当の本人は無自覚です。

実際データで見てみると、しっかりと正社員として雇われている人は全体の約15%です。

その他の人は業務委託として仕事をしているだけで、仕事をしなければ、収入は入ってきませんし、会社も助けてくれません。

さらに、フリーランスなので、福利厚生もないし、ボーナスもありません。業務委託として仕事を請け負っているので、マージン(販売手数料)が給料から引かれています。

会社によっては鉛筆代も自腹となるところもあります。

 

終わりに

おわかりいただけたでしょうか?

あんなにキラキラしたアニメ業界の裏側はここまで過酷なのです。

長時間労働、低賃金で扱いも雑。このような裏側を知っておくだけでも、アニメを見る目が変わるはずです。